複合機はコピーや印刷、スキャンなどで使用されますがNASと併用して利用することで、スキャンしたデータの保管や共有がしやすくなり、仕事の効率化にもつながります。
NASはLAN接続している複数の端末でデータが共有管理できる外付けハードディスクのことをいいますが、このNASと複合機を組み合わせて利用することは仕事の効率を上げるうえでメリットが大きいです。
そこで今回は、複合機とNASを組み合わせて活用していく方法をご紹介していきます。
1、そもそもNASとは?特徴を紹介
複合機とNASを組み合わせた活用法をご紹介する前に、まずはNASについて解説します。NASという言葉は聞きなれない言葉かもしれません。NASとは「Network Attached Storage」の略で「ナス」と読みます。
NASはネットワーク上の複数のパソコンでデータを共有することができるLAN接続の外付けハードディスクのことで、LAN接続している機器であればデータを共有することができるものです。
【NASの特徴】
- LAN接続している複数台の端末でデータを共有できる
- パソコンの電源が入っていなくてもデータを共有できる
- データの閲覧者を指定することができる
- データのバックアップに利用可能
NASの一番の特徴は、LAN接続している端末であれば複数台の端末でデータを共有できる点です。USBなどの外付けハードディスクでは、接続している端末でしかデータが閲覧できませんが、NASであればLANに接続している複数の端末でデータを共有可能です。
また、パソコンの電源が入っていないとデータが共有できない場合(DAS)、対象のパソコンの保有者が不在の場合にデータを閲覧・編集することができないので非常に不便ですよね。その点NASでは、他のパソコンの電源のON・OFFは関係なくLANに接続していればいつでもデータを共有することができます。
また、データに関しても閲覧者を指定することができるので、他部署からのアクセスや不正アクセスを防止することもできるのです。その他、データのバックアップに利用可能でそれぞれの端末がNASの容量を共有してデータを保存できるので、より経済的です。
このように、NASは社内でデータを共有・管理するのに適している外付けハードディスクです。
2、複合機とNASを組み合わせて活用する方法
NASはデータを保存し、社内で共有するのに適しているものだと説明しました。実はこのNASと複合機は相性がよく、組み合わせることで業務効率の向上やデータの適切な管理、コスト削減の効果も期待できるようになります。そこでここからは、複合機とNASを組み合わせて活用する方法をご紹介します。
2-1、複合機でスキャンしたデータをNASに保存
複合機とNASの活用方法として、複合機でスキャンしたデータをNASに保存するというものがあります。NASを利用しない場合、複合機でスキャンしたデータはUSBなどの外付けハードディスクに保存して利用することになります。
しかし、この場合にはスキャンしたデータを複数人で共有するのに、メールで送信したりチャットで送付したりと手間がかかってしまいます。
その一方、NASと組み合わせた場合には複合機でスキャンした書類をファイル化してNASに保存することができます。保存したファイルは、LAN接続しているパソコンで共有することができるので非常に便利で、しかも、設定によっては閲覧制限もできるのでセキュリティ面でも対策をとることができます。
2-2、受信したFAXを印刷せずにNASへ保存
NASと複合機を組み合わせることで、複合機で受信したFAXを印刷せずに保存することができます。通常の設定では、複合機に送られてきたFAXはそのまま印刷されてしまいます。しかし、この場合大量にFAXが送られてきた場合でもすべて印刷されてしまうという問題が発生します。
実際に企業の中には必要ない広告などが多く送られてきて、その都度印刷されるので紙やインクのコストがかかって困っているというところもあります。このように、すべてのFAXが印刷されるのではなく、必要なデータのみを印刷したい場合にはNASを利用すると効果的です。
複合機には転送FAXという機能があり、複合機に送られてきたFAXを印刷するのではなく、いったんパソコンに取り込んで、必要なものだけ印刷できます。
この転送FAXの取り込む先をNASに設定しておくことで、FAXのデータをNASで管理することができます。そのため、FAXデータを共有したり印刷したりといった作業が効率的に行えるようになります。
このFAXの機能についてはすべての複合機に搭載されているわけではないので、あらかじめ使用している複合機に転送FAX機能があるか確認しておきましょう。
3、まとめ
ここまでで、複合機とNASを組み合わせて活用する方法と活用することの効果をご紹介してきました。複合機でスキャンしたデータをNASに保存することで、スキャンしたデータを社内で保管・共有しやすくなります。
また、FAXに関しても一度NASに保存することで、必要なものだけ印刷することができ、紙やインクのコストを削減することが可能です。
このように、複合機とNASを併用することでデータを簡単に共有でき、仕事の効率をアップさせることができます。皆さんも複合機を導入するときにはNASと併用することを検討してみてはいかがでしょうか。