近年、企業のセキュリティ対策は重要視されていますが、複合機についてもセキュリティ対策が必要です。複合機に保存されているデータが第三者に流出する危険性もあるため、サイバー攻撃に対抗する対策の実施が求められています。

そこでここでは、複合機の中で注目すべきセキュリティ機能を開設しつつ、どうしてセキュリティ対策が必要なのかをご紹介していきます。今後、IT化社会が進んでいく中で新たな脅威が出てくることも考えられます。まずは身近なセキュリティ対策から始めましょう。

1、複合機で注目すべきセキュリティ機能

複合機で注目すべきセキュリティ機能

近年、サーバー犯罪が増加していることから、企業側のセキュリティ対策が求められています。セキュリティ対策が必要なものとして複合機も例外ではなく、情報漏洩リスクを軽減する努力が必要です。

複合機のセキュリティ対策としては、最近の複合機にはさまざまなセキュリティ機能が搭載されており、うまく活用することでセキュリティを高めることができます。ここからは、複合機に搭載されている機能の中で注目すべきセキュリティ機能をご紹介します。

1-1、不正利用を防ぐ!【ユーザー認証機能】

複合機に搭載されているセキュリティ機能として、ユーザー認証機能があります。複合機には、内部サーバーに印刷・コピーデータや個人情報などが保存されているケースが多いです。そのため、外部からのアクセスや不正利用を防ぐ必要があります。

ユーザー認証機能を利用すれば、利用できるユーザーを事前に管理しておくことで不正利用を防ぐことが可能です。認証方法としては、あらかじめ設定しておいたユーザー名(ID)とパスワードを打ち込む方式と、ICカードをICカードリーダーにかざして利用する方式が多く導入されています。

また、複合機を使用するときの認証を連続して間違えるとロックがかかる機能を搭載しているものもあり、複合機の外部からの攻撃に対しての対策が強化されつつあります。

1-2、データの流出・改ざんを防ぐ【暗号化通信機能】

複合機には、データの流出や改ざんを防ぐ暗号化通信機能があります。SSL/TLS暗号化通信といわれるこの機能は、社内の複合機でスキャンしたデータをインターネット(クラウド)を介して社外に共有する場合にデータを暗号化して送信することができるものです。

そのまま社外にデータを送信してしまうと、通信途中でデータの閲覧・内容の解析・データの改ざんなどの危険性があります。しかし、データを暗号化して通信を行うことで、情報漏洩やデータの改ざんのリスクを軽減することが可能です。

1-3、複合機の設定の改ざんを防ぐ【管理者パスワード設定】

複合機には、本体設定の改ざんを防ぐ管理者パスワード設定という機能があります。複合機には、通信の暗号化や特定のユーザーのみ使用を許可するユーザー認証機能がありますが、これらの設定は管理者IDやパスワードがあれば誰でも変更できるものです。

もし外部の攻撃によって管理者のID・パスワードが流出すれば設定を変更して誰でも利用できる状態になる可能性もあります。そうなると複合機内のデータやそれに接続されているクラウド上のデータがリスクに晒されかねません。

複合機の設定を管理者以外が変更できないようにするには、管理者権限をしっかりと設定する必要があります。IDやパスワードを初期設定のままにするのではなく、簡単に分からないような複雑なものを設定することが重要です。複雑なID・パスワードを設定することで、複合機のセキュリティを高めることができます。

2、複合機のセキュリティ対策が重要な理由

複合機のセキュリティ対策が重要な理由

最近の複合機には、多くの場合セキュリティ対策機能が搭載されていますが、どうしてセキュリティ対策が必要なのでしょうか?社内で使用する複合機なので、セキュリティ対策しなくても大丈夫だろうと考えている方もいるかもしれませ。

しかし、複合機もインターネットとつながる時代に入っているので、パソコン同様にセキュリティ対策が必要です。ここでは、複合機のセキュリティ対策が重要である理由をご紹介していきます。

2-1、情報漏洩や改ざんのリスクが高まる!

複合機のセキュリティ対策を怠ってしまうと、複合機内にあるデータの漏洩や改ざんリスクがあります。複合機はオフィス機器なのでセキュリティ対策とは無縁なようですが、インターネットに接続していることからサイバー攻撃の被害に遭いやすいといわれています。

特に企業に導入されている複合機には、データが保存されるHDDが内蔵されていることが多く、印刷したデータやFAXのデータ、送受信履歴などが保存されています。そのため、外部からの攻撃によってこういった重要な情報が漏洩するリスクがあるのです。

また、こういったデータにアクセスできるということはデータを改ざんすることも可能となるため、知らない間に被害が拡大する恐れもあるため注意が必要です。

2-2、経済的損失が発生する可能性も!

複合機のセキュリティ対策が不十分であることで、複合機のデータの漏洩や改ざんが発生した場合、経済的な損失が生まれる危険性もあります。

流出したデータの中に、個人情報やクライアントとの重要機密データが含まれていた場合、損害賠償請求の問題が発生することがあります。特に最近では情報漏洩に関しての扱いが厳しく問われる時代になっており、一度情報漏洩してしまうと企業の信頼を失う可能性も。

セキュリティ対策にかかる費用に比べて損失が大きくなることも十分考えられるので、複合機と甘く見ることなく必要なセキュリティ対策を取るようにしましょう。

3、まとめ

ここまでで、複合機のセキュリティ機能とセキュリティ対策を実施しないといけない理由をご紹介しました。複合機もインターネットと接続しているので、サイバー攻撃の標的となる危険性はあります。

特に企業の複合機には、さまざまなデータが蓄積されていることも多いためより念入りな対策が必要でしょう。最近では、ほとんどの複合機に何らかのセキュリティ対策が施されていますし、セキュリティ対策が充実している複合機も増えています。

皆さんも複合機を導入するときには、よりセキュリティ性が高いものを選ぶようにしてください。